Gmail拡張機能の権限は安全?メール開封確認ツールが受信トレイを読めるか確認する方法
Gmail拡張機能の権限は、インストール時に2種類あります。ひとつはChromeの権限(ブラウザ内で拡張機能ができること)、もうひとつはGoogleでログインしたときに求められるGoogleアカウントの権限(Gmailやその他のGoogleデータに対してできること)です。多くの人はどちらも内容を読まずに「許可」を押してしまいます。
メール系のツールでは、この画面の違いが「あなたの代わりにメールを送れる」と「過去に受信したメールをすべて読める」の差になります。読み方を順に説明します。
Gmail拡張機能の権限①:Googleアカウントの権限(OAuthスコープ)
拡張機能が「Googleでログイン」を求めると、同意画面に要求するスコープ(権限の範囲)が一覧で表示されます。Gmail関連でよく見かけるものは次のとおりです。
メールアドレスの表示 — 危険度:低
拡張機能はどのGoogleアカウントを使っているかを知るだけです。利用者の識別には十分ですが、メールの閲覧や送信はできません。
ユーザーに代わってメールを送信(gmail.send)— 危険度:中
あなたのアカウントからメールを送信できます。予約送信や差し込みメール(メールマージ)に必要な権限です。受信トレイを読むことはできませんが、悪意のある拡張機能なら、あなた名義で迷惑メールを送ることが可能になります。
メールの閲覧(gmail.readonly)— 危険度:高
受信トレイ内のすべてのメールと添付ファイルを読めます。パスワード再設定の通知、銀行やカード会社からの明細、プライベートなやり取りも含まれます。スレッド内の返信を検知するなど、本当に必要な機能もありますが、要求しているツールがすべてその権限を使っているとは限りません。
メールの変更・削除(gmail.modify またはGmailへのフルアクセス)— 危険度:非常に高
閲覧と送信に加えて、メールの変更、移動、削除ができます。
同じ画面にGoogleスプレッドシートや連絡先など、ほかのGoogleサービスが並ぶこともあります。ひとつずつ「自分が実際に使う機能に対応しているか」を確認してください。
Gmail拡張機能の権限②:Chromeの権限
Chromeウェブストアの掲載ページとインストール時のダイアログには、拡張機能がブラウザ内でできることが表示されます。Gmail用ツールで重要なのは「サイトへのアクセス」の行です。mail.google.com で動作する拡張機能は、開いているGmailの画面を読み取り、変更できます。作成画面にボタンや開封確認の仕組みを追加するにはこれが必要なので、ここまでは想定内です。注意したいのは、Gmailでしか動かないのに「すべてのウェブサイトのデータの読み取りと変更」を求める拡張機能です。
すでに許可した権限を確認する手順
- アドレスバーに
chrome://extensionsと入力して開き、各拡張機能の詳細をクリックすると、権限とサイトへのアクセスが確認できます。 - Googleアカウントのサードパーティ製のアプリとサービスのページを開くと、Googleデータにアクセスできるアプリの一覧が表示されます。使っていないものはここから削除できます。
要注意のサイン
- 不要なはずの受信トレイ閲覧権限。 開封確認は送信メールに小さな画像(トラッキングピクセル)を埋め込む仕組みなので、受信トレイを読む必要はありません。
- Gmail専用のツールなのにすべてのウェブサイトへのアクセスを求める。
- 単純な開封確認ツールなのに連絡先へのアクセスを求める。
- プライバシーポリシーがない、または内容があいまい。 データの扱いを明示しない会社は、最悪のケースを想定したほうが安全です。
Zestmailが求める権限
Zestmailは、受信トレイにアクセスせずにGmailの開封確認を行うために作られたChrome拡張機能です。ログイン時にGoogleへ要求するスコープは次の3つです。
- メールアドレスの表示 — アカウントの識別に使います。
- ユーザーに代わってメールを送信(
gmail.send)— 差し込みメールと予約送信に使います。 - Googleスプレッドシートの閲覧(
spreadsheets.readonly、読み取り専用)— 差し込みメールの宛先をスプレッドシートから読み込むために使います。
Gmailのメールを閲覧・変更・削除する権限や、連絡先へのアクセスは要求しません。Chrome側では、送信をクリックしたときにトラッキングピクセルを追加するためGmail上で動作し、通知・ストレージ・バックグラウンド同期・サイドパネルといった一般的な拡張機能の権限を使います。
なお、拡張機能本体とウェブサイトは英語のみです。無料プランは1日20通までで、送信メールに小さな「Sent with Zestmail」のフッターが付きます。また、開封確認はメールの画像ブロックやApple Mailのプライバシー保護機能などの影響を受けるため、どのツールでも100%正確にはなりません。
今日できること
- 拡張機能を棚卸しする — いま入っているものが何にアクセスできるかを確認します。
- 使っていないものは削除する — Gmailにアクセスできる拡張機能が1つ増えるごとに、メールに触れられる第三者が1つ増えます。
- 機能に見合った権限しか求めないツールを選ぶ。
- プライバシーポリシーを読む — 特に第三者への提供と、データの保管期間の記述を確認します。
受信トレイは、個人情報がもっとも集中する場所のひとつです。そこへのアクセスは、それに見合う慎重さで扱ってください。