Gmail予約送信の時差:相手の現地時間に合わせる方法
Gmailの予約送信で相手の現地時間に合わせたいときは、まず1つの前提を押さえてください。予約送信の日時は、あなたのPCやスマホに設定されているタイムゾーンで入力します。Gmailは相手がどこにいるかを知らず、相手の時間に合わせて調整することもありません。たとえば日本から見て、ロンドンの相手に現地時間の朝9時に届けたい場合は、その時刻に対応する日本時間を自分で計算して入力する必要があります。この記事では、夏時間で間違えない換算方法、予約済みメールの取り消しや変更の手順、そして推測ではなく相手が実際にメールを開く時間帯を確かめる方法を順に説明します。
Gmailの予約送信は時差をどう扱うか
Gmailの予約送信は無料で使えて、ウェブ版とモバイルアプリのどちらでも利用できます。多くの人にとって十分な機能なので、まずは動作の仕組みを理解しておくと役立ちます。
押さえておきたい点は次のとおりです。
- 日時選択画面に表示されるのは自分の時刻です。 「日時を選択」を開いたときに表示される時刻は、使っている端末に設定された現地時間です。相手のタイムゾーンを入力する欄はありません。
- 確定した送信時刻は変わりません。 15:00に予約してから別のタイムゾーンへ移動しても、メールは元の時刻に送られます。移動先の15:00に動くわけではありません。
- 候補の時刻は一般的な選択肢です。 「明日の朝」「月曜の朝」などの候補も、あなたの端末の時刻が基準です。使いやすいものの、相手に合わせて選ばれたものではありません。
- 予約済みメールは「予約済み」フォルダに入ります。 ウェブ版では左側のメニューから、モバイルアプリではメニューから開けます。送信前のメールを確認、取り消し、編集できます。
- 予約できる件数には上限があります。 Gmailが同時に予約できる件数には制限があります。大量に予約する場合は、現在の上限をGoogleのヘルプページで確認してください。
Gmailは時差を自動で調整しないため、確実な方法は次の順番です。まず相手にとって理想的な現地時間を決めます。次にそれをあなたの現地時間に換算します。最後に換算後の時刻を入力します。
相手の時間へ間違えずに換算する
予約送信の失敗の多くは、Gmailの仕様ではなく、時差の計算を頭の中で行い、夏時間を見落とすことから起きます。以下の手順で防げます。
手順1:時差ではなく、相手の到着時刻を基準にする
「相手は何時間遅れているか」ではなく、「相手には何時に届いてほしいか」から考えてください。多くの国では時差が季節によって変わります。たとえば日本は夏時間を採用していないため、日本時間は一年中同じです。一方、ロンドンは冬は日本より9時間遅れ、夏時間の期間は8時間遅れになります。欧州と北米は夏時間の切り替え日も一致しません。そのため「相手は9時間遅れ」と固定して覚えていると、時期によってずれてしまいます。
手順2:特定の日付で換算する
都市名だけでなく、日付を指定して換算してください。
- 検索エンジンで「ロンドン 9時 日本時間 10月28日」のように入力すると、その日付の夏時間を考慮した結果が表示されます。
- Googleカレンダーを使う方法もあります。新しい予定を作り、開始時刻を設定したうえで、予定のタイムゾーン設定から相手の地域を選ぶと、その時刻を表示できます。カレンダーの設定で「世界時計」を有効にすると、サイドバーに複数の都市を表示しておけます。
- よくやり取りする相手がいる場合は、相手の都市名を短いメモにして残しておくと、そのつど確認しやすくなります。時差の数字だけを覚えるより、都市名と日付で確認するほうが安全です。
手順3:換算した時刻をGmailに入力する
- いつもどおりメールを作成します。
- 「送信」ボタンの横にある小さな下向き矢印をクリックします。スマホでは右上の**三点リーダー(︙)**をタップします。
- 送信予約を選びます。
- 候補の時刻ではなく、日時を選択をクリックします。
- 相手の希望時刻に対応する日付と、あなたの現地時間を入力します。
- 送信予約をクリックします。
後から変更したい場合は、「予約済み」フォルダを開き、該当のメールを選んで送信をキャンセルを選びます。メールは下書きに戻るので、編集してから改めて予約できます。ボタンや文言は環境によって少し異なることがあるので、画面に表示される項目に合わせて読み替えてください。
手順4:曜日と日付の変わり目を確認する
国際日付変更線をまたぐ場合や、夜遅くに予約する場合は、相手の側では別の日になることがあります。たとえば、ロサンゼルスから「ニュージーランドの月曜の朝」に届けたいメールは、太平洋時間の日曜の午後に送る必要があります。確定する前に、相手の現地の曜日と時刻を声に出して確認してみてください。意外と多くのミスを防げます。
実際に読まれやすい時間帯を選ぶ
正しく換算できても、相手にとって良い時間を選べているとは限りません。次の点を意識すると効果があります。
- 深夜ではなく、相手の仕事の始まりを狙う。 現地時間の午前3時に届いたメールは、朝に受信トレイを開いたときに他のメールの下に埋もれます。相手の現地時間で8時から10時ごろに届くと、確認されやすくなります。
- 自分の週ではなく、相手の週で考える。 週末や祝日は国によって異なります。金曜日が休みの国もあります。不安な場合は、相手の国の祝日を調べるだけでも十分です。
- 自分が会議で忙しい時間帯を基準にしない。 「月曜の9時に」と予約しがちですが、相手にとっては月曜の朝が最も受信箱が混む時間かもしれません。情報がない場合、火曜から木曜の午前は無難な初期設定になります。
- 可能なら直接尋ねる。 継続的な取引先であれば、「このような連絡は午前と午後のどちらが都合がよいですか」と一文尋ねるだけで、推測の多くが解消されます。
ここまでの方法は、地域や職種から読まれる時間を推測しているにすぎません。同じ相手に定期的に送るなら、相手の実際の習慣を知るほうがはるかに確実です。
相手が実際にメールを開く時間を知る
ここで開封確認が役立ちます。トロントの相手が9時ごろに読んでいるはずだと決めつけるのではなく、過去のメールが実際に開かれた時刻を見て、次の送信時刻を決められます。毎朝7時15分ごろに開く人は通勤前に読んでいると考えられます。21時ごろに開く人は、家族が寝てから読んでいるのかもしれません。相手は何も言わなくても、開封の時刻から希望する時間帯が見えてきます。
Zestmail for Gmailは、この確認をGmailに追加するChrome拡張機能です。メールが開かれたかどうか、また開かれた日時を表示します。あなた自身の開封や、一般的なボットによる開封は除外するので、表示される時刻が実際の人の閲覧に近づきやすくなります。予約送信の機能も備えており、Gmailの予約送信と並べて使えます。Gmail内の側面パネルから相手とのやり取りの履歴を確認できるため、作成画面を離れずに時間を決められます。なお、この拡張機能と公式サイトは英語のみで提供されています。日本語の表示はありません。
定期的なやり取りのある相手には、次の流れが使えます。
- 最初の数通は、上の換算手順で推測した時刻に送ります。
- 1〜2週間後に、その相手の開封時刻を確認します。相手の現地時間で、開封が集中している時間帯をメモします。
- 今後の予約は、その時間帯の少し前に届くように設定します。
- ときどき見直します。転職や生活リズム、居住地の変化で、読まれる時間は変わるからです。
注意点を2つ挙げます。1つ目は、開封確認はどのツールでも完全に正確ではないことです。メールを開いたときに小さな画像が読み込まれる仕組みに依存しているため、画像をブロックしている受信者や、Apple Mail Privacy Protectionのように画像をプロキシ経由で事前に読み込むサービスを使っている受信者では、開封が実際とは異なって表示されることがあります。データは確かな手がかりとして扱い、断定の根拠にはしないでください。2つ目は、Zestmailの一部の機能では、作成中の下書きをZestmailのサーバーに送って処理することがあります。組織のルールに関わる場合は、拡張機能の説明や設定を確認してください。Zestmailは、Gmailの受信トレイを読む権限を求めません。
複数の地域にまたがるリストへ送る場合
1人ではなく、ヨーロッパ、米国、アジアの顧客に向けてニュースレターを送るような場合は、1つの送信時刻ではほとんどの相手にとってずれてしまいます。現実的な方法は、地域ごとにリストを分け、それぞれの現地の午前に合わせて1回ずつ予約することです。
Gmailだけで行う場合は、同じメールを地域の数だけ作成する(または下書きをコピーする)必要があります。それぞれに地域ごとの宛先を入れ、換算した時刻で予約します。この方法でも可能ですが手作業が多く、1通あたりの宛先数もGmailの送信ルールに制限されます。
Zestmailのスプレッドシートからの差し込み(メールマージ)機能を使うと、この作業をまとめやすくなります。Googleスプレッドシートを地域ごとに分けるか、地域の列を追加して絞り込み、地域ごとに差し込みを実行します。そのうえで、それぞれの地域の午前に合わせて予約送信を設定します。開封確認を使えば、どの地域の送信時刻が効果的だったかも比べられます。料金については、無料プランでは1日20通までで、メール末尾に小さな「Sent with Zestmail」のフッターが付きます。Proプランは月額9ドル、または年額69ドルで、7日間の無料トライアルがあります。詳しくは料金ページをご覧ください。繰り返しますが、この拡張機能と公式サイトは英語のみです。
予約送信を押す前のチェックリスト
- 入力した時刻は自分の現地時間で、相手の希望時刻から換算したものである。
- 特定の日付で換算したので、夏時間も考慮されている。
- 相手の曜日が正しい(アジア太平洋地域への夜遅い送信や、南北アメリカへの早朝の送信は特に確認する)。
- 希望時刻は相手の仕事の時間内にあり、できれば一日の早い時間帯である。
- この相手の開封時刻のデータがあれば、推測ではなくそれを使った。
- 複数の地域にまたがるリストの場合、全員に同じ時刻を使わず、地域ごとに分けて送っている。
この6点を押さえておけば、予約送信の時差まわりのミスはかなり減ります。Gmailの予約送信は無料で仕組みを提供しています。残る作業は、換算を丁寧に行うことと、可能であれば読まれる習慣についての推測を、実際の開封時刻に置き換えていくことです。